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この夏の変身

2019summer_web


中三の息子が剣道部を引退した。県大会出場をかけた最後の試合は、いまだ私が見たことのない凄みの立ち昇る真剣勝負で、正直、私は息子に惚れ直した。

初心者として入部した中学剣道部は、大変熱心な顧問の先生の指導のもと遠征も多く、5時台に家を出ることも。まだ暗い中、竹刀や大きな防具を下げて出て行く姿は、行かねばならぬお侍のようで、おっかさんは見えなくなるまで見送ったものだ。

剣道という武道のコスチューム性によるところもあるが、普段は陽気でヤイヤイとした息子や部活仲間が、面を着けるやいなや「変身!」する。
表情が見えないからこそか、本当に強い選手には、ちょっとした立ち居振る舞いに不思議なオーラを見ることができる。静かで不動の何か。

息子は大将なので、団体戦では5人目最後の勝負、大抵の場合、相手の大将からはだいぶイカツイ気が出まくっている。
体当たりをくらい、ひっくり返って後頭部を強打したこともある。

逃げも隠れもできない試合の始まりはしんとして、何ならおっかさんも竹刀持って相手の背後から加勢したいところだが、実際には胸をきりきりさせながら祈るのみ。剣道では声援は送らず、ただ拍手で応援の意を示す。だから試合が終わると、私はやっと呼吸再開して、やたら手のひらが痛がゆい。

県大会出場校を決定する試合の日、一回戦を勝ち進んだものの、二回戦の相手は市内大会で優勝した強豪校。「もはやここまでか」なんて一瞬でも思ったことを、私は後悔することになる。
5人とも粘るはねばる。腹を据えて120%の力を出し切った、本当に気持ちのまっすぐな素晴らしい戦いぶりだったからだ。
試合直後は悔し涙もあったようだが、みんなで出てきてくれたときの笑顔の輝きといったら。

「ここまで」じゃなくて、「ここから」だったのだ。
いま持つ力を出し切るって感覚、自分にはあるんかな?なんて考えながら。
深く感動して、1ヶ月たった今も胸が熱くなります。

さて、部活を引退したら今度は受験生に「変身」です。
着けたら勉強モードになる面、どっかに売ってたらいいのにね。

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